思考のエンジン 1 思考の道具としてのタイプライター
Outline
ニーチェとハイデッガー
- ニーチェはタイプライターと喜んで戯れた。
- タイプライターは19世紀に生まれた。
- タイプライターは不思議な器械だ。
- 人間にとって神聖な書くという行為を冒涜する。
- ハイデッガーはタイプライターを批判した。
- タイプライターは効率のために使われた。
- 19世紀になり、事務職が変化した。
- 女性秘書と男性のボスの関係が家庭における夫と妻のようになった。
- エグゼクティブは女性秘書べったりのオフィス・ライフを送っている。
- ハイデッガーがタイプライターを使わないで済んだ
- 人間の書くという崇高な行為に、機械を関与させることは人間性への挑戦のようだ。
- タイプライターに魅せられた物書きはニーチェだけではない。
エズラ・パウンドとタイプライター
- エズラ・パウンドは人間を解放する機械としてのタイプライターのイメージを変えたモダニストである。
- The Northern Anthology of Modern Poetry
- バウンドは新しい感性に言葉を与えたモダニズムの巨人だ。
- バウンドは機械に魅せられいた。
- 効率化・合理化の革命は工場やオフィスだけに留まらなかった。
- バウンドの述べる「伝統」
- ブック・マシーンとして再編集された古典本
- ブック・マシーンとしてのOED
- 巨大なカード・システム
- 最新の製版技術
- 効率的に組み立てられた「伝統」は機械によって創造された。
- バウンドはタイプライターを使って時間を節約した。
- バウンドのイマジスト宣言はタイプライター的思考のエッセンスだ。
- データベース・マネージメント
- デスクトップ
- バウンドにとっての理想的な詩とは機械の可動部分とそれを軌道に乗せておくのに必要な部品だけから構成されている。
- タイプライターを使ってバウンドは自分の詩を書くことができた。
- バウンドによる書く手法
- 全体の構造を決める
- 部分の構成にとりかかる
- ギアやシャフト
- バウンドによる書く手法は文章読本の方法論と同じだ。
- 分かりやすい文章で
- 言いたいことを正確に伝える
- 複雑なことは
- 細かく分解して
- 部分部分を積み重ねることで説明する。
- 思考法はタイプライター的思考だ。
- 部分・部分を体系的に組み立て
- 全体の構造を作っていく
- 書き手の感情はどうであれ
作家の仕事部屋
- 書くという作業に機会を導入するか否か
- タイプライター的思考とは
- 19世紀末的な効率と生産性を可能にするシステムによる思考を意味している。
- 部分をつなぎ全体を考える
- 資料はファイルにきちっと整理される
- 巨大な辞書が備えられている
- 『作家の仕事部屋』
- 文章を作成するときにタイプライターを使うか手書きか
- タイプライター的思考の問題点
- タイピストの存在
- タイプライター的思考の限界
- 全体の統一性を考えながら
- ばらばらな部分を寄せ集め
- つないでいく
- 次章で考えること
- タイプライター的思考を超える世界
- 手書きで第一稿を書くのみならず清書もやっている作家たち